産婦人科ガイド

出産時の輸血の副作用

出産時に大量に出血が起こるのは、まれなことではありません。特に前置胎盤で帝王切開するとき、多胎の分娩などの場合はその危険が高くなりますが、順調に進んでいた普通の出産でも、時として分娩後の子宮の収縮がよくないために、弛緩出血といって大量に出血することがあります。

輸血の副作用としては、肝炎がよく知られています。肝炎はウイルスの種類によって、いくつかの型に分類されますが、最近では検査方法の進歩により、以前多かったB型、C型肝炎は非常に減りました。

1995年度の日赤血液センターの調査では、B型、C型肝炎は、調査対象となった6500人中、明らかな感染はゼロ、疑わしい症状が出た人も数人のみでした。しかし、非B型、C型肝炎については、200人に1人の割合で、感染が報告されています。

肝炎以外の感染症としては、梅毒、エイズ、成人T細胞白血病のチェックが行なわれていますが、輸血による感染は今のところ報告されていません。

非常にまれではありますが、輸血後1〜2週間後に、輸血された血液中のリンパ球によって、組織が障害を受けるGVHD(輸血後移植片対宿主病)という重篤な副作用が起こることがあります。

このようなことから、あらかじめ手術が予定されていたり、前置胎盤のように出産時に出血が予測されている場合には、「自己血輸血」という方法が行なわれるようになってきています。

自己血輸血とは、あらかじめ自分の血液をプールしておき、必要な場合に自分の血液を輸血する方法です。採決量やスケジュールは健康に影響の内容に設定されています。

しかも妊娠中は妊娠前と比較して循環血液量が30〜50%も増加しているため、採決による影響はごくごく少ないので、胎児の健康にも影響ありません。そのため、リスクのある出産に対する準備としては優れた方法といえます。

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